ヒシの実を食べることからこの和名になったガン類。黒い嘴には黄色の部分がある。絶滅危惧種。

主に冬鳥として湖沼などに現れる。大きな群れが越冬している場所では、夕方になると田んぼや草地などの採食地から、ねぐらにしている湖沼に一斉に集まる大規模な「ねぐら入り」が見られる。準絶滅危惧種。

オレンジの嘴に黒いコブがある白鳥。日本各地の湖、沼、河川などに点在しており、生息地では年中見られる。もともと人間が放鳥したものが野生化した外来種。人間慣れしているものも多いがもともとの気性は荒く、繁殖期には攻撃してくる個体もいるため近づきすぎに注意しよう。

白い大型の水鳥。オオハクチョウとは嘴の黄色い部分が嘴の長さの半分より短い点で見分ける。水面を泳ぐ姿は優雅だが、何が気に食わないのか他のカモを嘴で咥えたり、そのまま水中に引きずり込んだりすることがある。本州から九州にかけて冬に見られ、北海道では主に春と秋に通過する旅鳥だが冬に見られることもある。湖沼や農耕地で見られる。

白い大型の水鳥。嘴の黄色い部分が広く先端に向けて尖る。カモ類同様、水中の水草などを食べる時に逆立ちのような姿勢になり、その際に水面に出ているお尻の様は「タケノコ」と呼ばれる。全国で冬に確認されている。主に湖沼に生息。以前は餌をやる給餌場も多かったが、現在は高病原性鳥インフルエンザ等の問題点を踏まえ、餌やり自粛が呼びかけられている。

和名の通り冬に九州北部の干潟や内湾などで見られるクチバシが赤い大型のカモ。干潮時に水面でクチバシを揺すりながら、甲殻類や藻類などを食べる。絶滅危惧種。

山地の湖や河川などに生息し、冬が近づくと低地や南に移動する。またこの頃オスの羽はカラフルな色合いとなる。「オシドリ夫婦」の言葉とは裏腹に、オスは子育てを手伝わず、また次の繁殖期には違うメスと番（つがい）になると言われていたが、近年ドイツの調査で同じ相手と長年連れ添う事例が報告されており、研究者たちを賑わせている。

オスは黒や緑などで構成されている頭部の巴模様が特徴的で、和名もこれに由来。小型のカモで、特に小さいコガモより僅かに大きいくらい。以前は珍しい鳥だったが、近年渡来数が急激に増加している。大集団で空を飛ぶ様子は天を舞う龍を思わせる。主に本州から九州にかけて冬に見られる。基本的には淡水域で見られ、植物を食べている。絶滅危惧種。

和名は「縞模様のある、味の良いカモ」の意味。現在は狩猟鳥ではないため狩って食べることはできない。日本で見られるカモの中では特にサイズが小さくコガモと同程度。白くて太い眉毛模様が目立つ。主に春と秋に全国の水辺で見られる旅鳥。

その名の通りクチバシが横に広いカモ。冬に日本各地の河川・湖沼・内湾などでも見られる。数羽で水面を回ってプランクトンを集めそのクチバシで濾して食べたりする。

オスは他の多くのカモのオスと違い、派手さがなく全体的に灰色主体。見た目に中途半端さがなく落ち着いた方向に振り切れているためか、割と人気が高い。しかし派手さがないためメスのカモと間違う人もいる。全国で主に冬に見られる。淡水と海水の両方で見られ、水草や種子などを食べる。

緑のナポレオンハットを縦に被ったような見た目のカモ。冬に全国各地の河川や湖沼で見られる。水草や種子などを食べる。

名前通りオスは頭が赤っぽいカモ。春秋には北海道で、冬には本州以南の河川・湖沼・海外などで見られ、ピュゥ、ピュゥと高い声でよく鳴いている。

「アメヒ」と略して呼ばれることもある。ヒドリガモの色を変えたような見た目となっており、オスの額は白で、目の周りから後方にかけては光沢のある緑色。ヒドリガモとアメリカヒドリの雑種の方が出会いやすい。ヒドリガモの群れに1羽だけ混じることが多い。主に冬に全国の水辺や農耕地で見られる。

オスメス同色の茶褐色で、嘴から目に黒い過眼線が入っているのが特徴。北海道以外では年中みられ、河川や沼、公園の池などに広く生息する。5月頃にヒナの餌場を求めてカルガモの親子の引っ越しが見られ、その光景は街の風物詩となっている。

最も身近なカモ。緑の頭に黄色い嘴が特徴。冬に日本各地のあらゆる水辺に渡ってくるが、北海道などでは年中見られる。おしりを突き出して水中の餌を食べる姿はかわいらしく、人々を和ませている。

文字通り尾が長いカモ。冬に九州以北の川や都市公園の池などで群れで多く見られる。オスは渡ってきた時は地味な色（エクリプス）をしており、10月頃になると繁殖羽である灰色になり始める。

マガモに比べ、ふたまわり小さいカモ。子鴨ではなく小鴨である。冬に全国的に河川や池、海岸などで群れで見られる。

赤い顔に白い羽が特徴の水鳥。冬に公園の池、湖、内湾などで見られるが一部は年中みられる地域もある。潜水も得意で植物だけでなく甲殻類なども食べる。

その名の通り金の目、黒い体、白い羽を持つカモ。オスメスともに冠羽がある。多くの地域では冬鳥で、公園の池や湖、河川などに群れでいることが多い。潜水も得意で植物や貝類などを食べる。

冬に日本各地の内湾など海側を中心に生息する。キンクロハジロに似ているが背中は白と黒の縞模様で冠羽はない。羽音が鈴の音に似ているのでこの名前になったが、ホオジロガモの羽音の方がより鈴の音に近いと言われる。

「しのり」とは夜明けのこと。オスの羽の色を夜明けの光景のように捉えてこの和名になったと言われる。主に冬鳥だが一部の地域では繁殖が確認されている。

黒いカモ。嘴にはこぶ状に膨らんだ部分があり、黄色と橙色の見た目でかなり目立つ。主に冬鳥だが、繁殖はせずに日本で夏を越す「越夏個体」が見られることがある。基本的に海で見られ、波のうねりで姿を捉え辛いことも多い。

その名の通りオスの頬が白い。頭部は三角おにぎりのような形で、緑光沢のある黒。大きくのけ反り、空を見上げるような姿でメスに求愛する。潜水して魚類や甲殻類などを捕食する。主に九州以北で冬を過ごす。淡水と海水の両方で見ることができる。

オスは白と黒の特徴的な見た目。その姿から「パンダガモ」の愛称で呼ばれる。また巫女の装束を思わせる見た目から「ミコアイサ」。「アイサ」の語源は不明。多くの地域で冬に見られる。主に淡水域で見られ、潜水して水生生物や植物を食べる。潜水するミコアイサを目で追っていると、気づけばカンムリカイツブリに入れ替わっているのは鳥見あるある。

オスの頭部は緑光沢のある黒で体は白い。嘴は先端が下方向に曲がっている。全長65cm前後で、日本で見られるカモ類の中では特に大きい。和名に「カワ」とついているが河川や湖沼のみならず海にも現れる罠。ウミアイサと間違わないよう気を付けたい。本州から九州にかけて冬に見られ、北海道では一年中見られる。

オスは黒い頭部にイカした冠羽がある。嘴の色は赤で若干上向きに反る。九州以北で冬に見られる。海だけでなく河川等に現れることもあるため、カワアイサと間違えないようにしたい。カワアイサの群れに混じることもある。

ロシア南東部からアジア東部にしか生息しない世界的にも珍しいアイサ。脇腹に鱗模様があることで識別できる。

カモ科